ソバ君

silentのソバ君のレビュー・感想・評価

silent(2022年製作のドラマ)
4.3
久しぶりに日本のドラマをリアタイした!!

聾者との恋愛って定期的にハマってる。
友達がどこから見つけてきたのか、トヨエツの「愛していると言ってくれ」が最高だと言い出し、レンタルビデオ屋に連日通い、友達と毎日感想言ったり、大号泣した記憶。
「オレンジデイズ」見て、こんな大学生活送りたいって、数年後に大学入学したら、全然キラキラしてない日常にみんなでゲラゲラ笑った記憶。
サブスクでマイペースに一気見できる今はとっても便利で、私ももはやサブスクない人生は考えられないけど、誰かと一緒に共感しながら、あーだこーだ言いながら、誰かと同じ時代を生きていたことを実感し、当時の思い出と共に振り返れる、こんなドラマも良き☺️

前置き長すぎてすみません。今回は職場でも家族とも、どこへ行っても、「silent見てる?」の話題が広がった。
なんならロケ地にたまたま行く機会があって、思わず友達と同じ角度の写真を撮るという若い遊びを久しぶりにやりました。
それくらいハマってた。

私が好きなドラマの特徴の1つが、登場人物全員を丁寧に描いてくれていること。
このドラマもまた、想と紬のためのドラマと思いきや、湊斗や奈々、春生先生のバックグラウンドまで丁寧に描いてくれてて、誰のことも嫌いになれない、もはやみんな幸せになってくれとしか言えない思いにさせてくれたのは本当によかった。

特に、湊斗は、紬のことをずっと好きだったわけだから、想の登場によって、当て馬が確定したはずなのに、想に嫉妬するどころか、想のことが好きすぎて、現実をあっさり受け入れちゃう紬に感情爆発させちゃったり、耳が聞こえないことをわかっていてもなお、「想」って呼んだら、前みたいに振り返ってくれるの期待しちゃうのとか、もはやBLかと思った。
でも湊斗の気持ちを大切に表現してくれたことが同時に嬉しくもあって。
恋愛だけが全てじゃないって当たり前の感情を、丁寧に描いてくれて感謝。

奈々も、難聴になった想を一番近くで支え、想が笑顔で過ごせた最大の理由が彼女の存在なわけだけど、想の前であざとく振る舞う描写を見せて、視聴者を不快な気持ちに誘導しておいたのに、いざ奈々と紬、2人の女性を前に、想の気持ちがいよいよはっきり見えた瞬間、これまで奈々と想が過ごしてきた時間を振り返って、奈々の気持ちに同情を誘う演出も、その脚本自体がかなりあざといんだけど、誰のことも嫌いにさせまいとする意志を感じてブラボーでした!

私一人で見てたら気づけないような考察をネット上で読むたびに、あの演出にはそんな意味があったんだとか、新しい発見が止まらない、毎週泣き疲れたけど、楽しくて仕方のない日々でした。

さらに褒めるところがあるならば、髭男のsubtitleの流し方。編集がまた素晴らしかった。

終盤、制作側のインタビューで残念な発言もあり、自分が描いてる世界と発言のギャップに「え、、、」ってなってから気持ちが一気に萎えてしまい失速したことが唯一残念だった。
ソバ君

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