ニジム

ザ・コレクションのニジムのレビュー・感想・評価

ザ・コレクション(2016年製作のドラマ)
3.8
一気に観た。そして、シーズン1で打ち切りになったことを知り、愕然としている。どうにか収拾させようとしてるけど、後半かなり駆け足で拡げた風呂敷回収しようとしてるけど、大いなる序章じゃないか、これは!

戦後間もなくのパリ。ファッションの都パリの威風を取り戻すべく皆奮闘するが、世間はまだまだ生活が苦しく、フランスをドイツから守った連合軍(=アメリカ)が幅を利かせ、フランス人の誇りを踏みにじる。

そんな中、戦中の不正が無かったことが要因で大きく躍進しつつあるオートクチュールのサビーヌ。アトリエのデザイナーで経営者のポールが忙しく立ち働くが、実はその天才的なデザインは全て弟のクロードによるものだった。
途中、破れたデザイン画を補おうとポールが筆を入れるシーンがあるが、オリジナルの下半身部分とポールの描いた上半身は悲しいほどに落差があり、それは埋めようがない。

しかし、かなり謎を引っ張り、なぜポールや二人の母親のイヴェットが過去を知る人間の口をつぐむよう躍起になるのか、なぜクロードがデザイナーと公表されず日陰の身に甘んじているのかなど、分からないことだらけ。後半、アトリエの裁縫師の責任者のニーナの母マリアンヌとニーナの過去が明かされるが、それだけでこんなに躍起になるとも思えない。この謎、知りたかった。役者もよかったんだけどなあ。さすがに打ち切りではチームは解散してるだほうし、少なくともこのメンツで観るのは無理なのかな。
戦後の贅沢なファッションもとても美しく、眼福です。

アメリカからやってきたカメラマンのビリーがアトリエの専属カメラマンとして雇われて様々な写真を撮る。彼は「写真では分からない真実もある」と言われるが、逆に表面化してなくても写真で浮き彫りになることのほうが多かったと思いますよ。彼という外部の目が我々視聴者には必要だった。

それにしても、なんであんな杜撰な死体処理をしたのか。それだけが悔やまれる。

そして、ポール役のリチャード・コイル、普段から泣き顔のハンサムさんだなあ。十分な大人の男なのになぜか子供のようにも見える。無垢な錯覚を起こしがち。
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