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バッドガイズのseiitaishogunのレビュー・感想・評価

バッドガイズ(2022年製作の映画)
4.0
ストーリーっていうか、とにかくアニメーションとしての質が良すぎる。

【自分用CG制作視点で良かったところメモ】
・3D感を感じさせない2Dライクなアートと、コロコロ小気味よく動くモーション、
表情豊かなキャラクターで、画面のどこを見ても目がずっと楽しい

・細部まで行き届いた上質なアニメーションだった

・肉感のあるキャラクター造形好き。市長の首〜肩、人間キャラの頬、指など。
それでいて服の関節部分のシワ表現とか(特にウルフの肩、腰まわり)シンプルだけどメリハリのある形状で、緩急のあるモデルになっていて良い。

・キャラのアウトラインにきゅっと入ってる明るめのハイライトが効いてる。明るいライティングの時は目立って、屋内とか夜環境では抑えて目につかないようになってて当たり前だけどシーンによってきちんとコントロールされてて良い。

・服の繊維質感の表現とか、影の稜線の部分にステッチ状の斜線が入ってるのが良い(手描き感)。

・キャラ形状のアウトライン関係なく2Dイラストのように自在に動く表情が良い。
目、眉、口に入ってる黒い線画っぽい強調ラインが効いてるし、2D手描きぽく感じさせるスタイルとして、この目、眉、口 3点の占める割合が高いと思う。特に口の表情の作り方が凄く良い。
表情によって漫画表現によくある手描きのような描き込みラインが出てくるのも良い(頬や眉間や鼻などに)

・表情によって歯の形状が自然に、かつ違和感なく変形してるのがめちゃ良かった。開いてる時と「イッ」って噛み締めてる時のモデル形状が違う。

・止め絵としてのアートだけでなく、モーションのアートまで全編通して徹底されてるのがすごいと思った。(動きのメリハリ、スタイライズド感、バッドガイズという作品の動きの特徴はこう、みたいなの)アニメーターの作業者間での認識揃えが徹底してそう。

・クリムゾン・パウの戦闘シーン、モーションもカメラワークも良き…

・所々モーションにルパン三世ぽさを感じたけど、参考にされてたみたいね。

・2Dで描いた絵をいかに3Dで再現し落とし込むか、という部分のこだわりと技術がすごい。エンドロールでイラスト素材を使った写真が出てくるけど、もはや本編3Dモデルのほうが圧倒的に良く見えるくらい。3Dのほうが元イラストより良い、と思えるコンテンツ初めてかも。

・吹替で見たけど声優さんみんなすごくうまかった。ファーストサマー・ウイカって良い声なんだな。

・モルモットの山を容赦なく車で轢き飛ばしていくところヤバすぎて笑っちゃった
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