Ark

リミテッドのArkのレビュー・感想・評価

リミテッド(2022年製作の映画)
3.0
2023-166
舞台は世界情勢が不安定になっている近未来。アメリカの故郷を捨てて鉱山に出稼ぎに来た青年は、そこへ向かうために運転手に有料で連れて行ってもらうが、その道中で青年が偶然金塊を発見。取るには掘削機が必要なため運転手が最短5日間で取りに行き、その間青年は野犬が彷徨く何も無い砂漠地帯で金塊の監視という名のサバイバルをするサバイバル映画。

ザック・エフロンの綺麗な顔はほぼ見れない。初めからボロボロだけど後半にかけてホラー級にボロボロになる。

多くの人がALONEに似てるって言うけど、結末含めて考えるとALONEとザ・ウォールを混ぜた感じかな。
ネタバレ↓


途中からワンシチュエーションのサバイバル映画になる。
強い日射し、野犬、食料問題。初めはそこそこ上手く立ち回る主人公だが、謎の女性に会い、何かを隠していそうな主人公を怪しんだ彼女に詮索され、しつこいので殺してしまう。そして埋めるのだが、罪悪感に精神を蝕まれていく。

最後まで主人公が片足を引きずっていた理由や顔の古傷について明かされなかったのが残念。気になるところが謎のまま。

どんだけ調べても誰も言ってないんだけど、怪我の位置が右になったり左になったりしてたよね?砂嵐が来て太い木の枝が体に刺さり、ここで致命傷を負ってしまう。で、最初のシーンでは右に刺さってたのに次のシーンでは左に刺さってる。その後また右になって最終的には左になってる。単なるミス?だとしたら気付かなかったのかな?意味があるのか分からないけど、本当に単なるミスだとしたら映画にあってはならないミスだと思うんだけど(笑)私はこれが気になりすぎてこっちに気を取られてしまった。どういうこと?これ誰も書いてないから私だけ理解できてない何かがあるのかと思って気になって仕方ないので、マジで誰か教えてください(笑)

主人公が「自分が見張る」と言ったのは運転手を信用できないからかな。なのに掘削機を取りに行っていると信じてしまう甘さね〜……。金塊に目がくらんだのか。運転手は掘削機を取りに行ったのは行ったけど戻った時に主人公がピンチだったので、待ってたらワンチャン死んで金を独占できるかも?と思ったのかな。

でも多分、主人公が掘削機を取りに行ってても嘘のルートを伝えられて遭難して死んだり、正しいルートを伝えられてても戻った時に殺されてただろうな。主人公がやったようにあの場所では誰も見てなければ殺人もバレないし。でも、金塊の一部を取れた時に謎の女性を頼っていれば死なずに済んだかもしれない。つまるところ、むやみに人を信じすぎたことと、強欲さが生んだ結末といったところかな。そして自然を侮るなかれ。

最後に主人公が見た女は幻覚じゃなくて双子の姉妹だった。主人公も運転手もこの女が殺してるので、姉が殺されたと知って復讐したというよりは金塊目的のように見える気が。復讐目的なら、妹が来た時からそこにいた主人公だけでなく後から来た運転手も殺すのはなんか変な気が。

現実的に見るなら復讐目的か金塊目的かと思ったけど、謎なのは最初主人公を助けようとしてるように見えたこと。

後味の悪い作品だった。まぁでも、ザック・エフロンの新しい姿が見られたのは良かった。
彼はこの脚本を見た時にストーリーの簡潔さに惚れ込んだらしい。猛烈な暑さの中撮影し、撮影中3回砂嵐に見舞われ、そのせいで8秒しか撮影できなかった日もあるらしい。これまでで1、2を争うくらい過酷な環境だったとのこと。人間が自然から奪うばかりではなく共存することを考えて欲しい、的なことも言ってたな。とにかく、あんな環境下で見事に演じ切ったのは流石である。

最近のザック・エフロン、2作品連続で死んでる。

最後にオマケ。
終盤の感じを見るに神話の匂いもする。金塊とそれを狙う存在、それを守る存在……そういうのは神話によくあるみたい。
ギリシア神話なら金塊は金羊毛、姉妹は金羊毛を見張る守護竜、みたいな?
鉱山ではないのに砂漠に金塊があるのも謎だが、その点ではクトゥルフ神話(架空の神話)に似たのがある。砂漠の廃都に“アッシュールバニパルの焔”という、玉座に座る偽王の骸骨が掴んでいる宝石があり、魔道士がこれを魔物を眠らせて盗み王と奪い合いになり死亡し、魔道士が死に際かけた呪いで王も死ぬ、ってやつ。でもこれは王は死後宝石を握ったまま玉座に残されるとのことなのでそこは違う。
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