女子高生に殺されたいという夢を実現するために計画を練ってきた教師の自分殺人の完全犯罪計画。その顛末を描く物語。
この手の日本映画はあまり観ないのだが、「アルプススタンドのはしの方」と「猫は逃げた」の2本がとても良かった城定秀夫監督作品ということで、劇場に向かってみた。
満席の客席は、若者ばかりかと思いきや、中年以上の男性が多かったのに驚いた。監督のファンなのかな？
主人公を殺そうとするのは誰なのか、というか、主人公が自分を殺させようとしている女子高生は誰なのかがミステリー仕立てになっているところがとても面白かった。こういうサスペンスもあるかあ、と感心。メインの4人の女子高生が皆個性的で漫画的に美しく、物語の世界にマッチしていて魅力的だった。
主人公の田中圭さんは、想像していたよりサイコパスな感じがなかった。やや薄味かと思ったが、やり過ぎだと相当に気持ち悪い人物像なので、ほどほどに好感度を残していて良かった気がする。彼は所謂病気なだけで、根っからの悪人ではないのだから。
ギリギリ笑えちゃう、クライマックスでの顔演技もサイコーだった。
伏線を散りばめた物語が緻密で、時間軸をずらしたサスペンスの構成が見事で飽きるところがなかった。こういう日本映画がもっともっと観たいと改めて思った。
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