Cytherea

彷徨う魂のCythereaのレビュー・感想・評価

彷徨う魂(2022年製作の映画)
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生命尊重と漠然と同一視されるような人間尊厳の尊重とは何かを再確認させられる内容だった。
生きとし生ける「もの」すべてが等しく尊重されるべき。その前提があっても、人間の都合でその「優劣」というのが語弊があるなら、「差」がついてしまう。例えば、食用として「牛」が存在する国と、労働力として存在する国、神聖な動物としてあがめられる国。食用に。とは人間が勝手に定義したのに。(だから、命をいただくことに感謝して食事の挨拶「いただきます」があるのだと思っている。)
すべて人間が決めている。なぜなら人間には尊厳があるから。それは、すべての命を守る責任を持っているということ。つまり、ノブレス・オブリージュ、高い社会的地位には義務が伴う。
この「人間尊厳の尊重」が恐ろしく欠け、安っぽい「慈愛」を振りかざしている作品。そのおかげで演技力、演出が「そういえば下手だったよね」と薄まっている。
主人公夫妻は猫を保護する責任に欠けていたのではないか?犯人は不法侵入をして猫を連れ出したのなら、罪状も変わるはず。探すのに必死で、ビラを配るために不法侵入をする夫。そのビラは妻が職場で職場の機材を使い作製したもの。「被害者が加害者になる」パターンってこういう思考回路な人たちなのかと勉強になった。そして、この夫妻は最近話題の「野生熊」の駆除を問題としてクレームを入れる人たちと同じ感じ。
次々と減らない「保護動物」について、里親だ、地域で。ではなく根本的な解決が必要で、やはり、簡単に購入できる社会システムから変えていかなければならないな。と犬とウサギを飼っていた私は思っている。
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