Ark

オールド・ナイブスのArkのレビュー・感想・評価

オールド・ナイブス(2022年製作の映画)
3.5
127便のハイジャック事件の内通者を調べるよう命じられたCIA諜報員のヘンリー。そこでかつて恋人同士だったシリアと再会し、当時の話を聞き込む。


スパイものだがアクションは皆無で、サスペンスやミステリー要素が強い。会話メインで話が進み、過去と現在を行き来しながら真相に近づいていくスタイル。

ラストまでが退屈だが、最後まで見ると評価が爆上がりする。

以下ネタバレ↓





主人公を疑ったけど「まさかそんなわけ笑」って思ってたのに、まさかのまさかで本当にヘンリーだった(笑)
シリアもCIAもヘンリーが内通者だと知っていて、殺害するために再調査を命じた。そしてレストランで毒殺計画が進むわけだが、実はヘンリーが情報を売ったのはシリアのためだった。愛するシリアを守るためだったのにシリアに殺されるという、非常に切ない話。守った女に殺される気の毒な主人公……。
ただ、ヘンリーが謎の男と組んで何かを実行しようとしてたのはよく分からなかった。シリアを殺そうとしてたとしか思えないが、守った女を今さら殺す意味も分からないので個人的には謎のままです。

キレイに収まった感はある。レストランでの違和感の伏線も回収。

なんか低予算そう。現在のシーンはレストランオンリー、過去のシーンはシリアの部屋かCIAのオフィス的なとこ、あとは機内。ストーリーはとてもゆっくり進むので眠くなってくるけど、映像が綺麗なのと1時間半くらいの作品だから観てられる。
クリス・パインが渋い〜。抑え気味の演技が良かった。タンディー・ニュートンはなんか違う感じがした。もう少し美人でもう少し若くて演技力のある人だったらもっと良かった。

生々しいベッドシーンがやけに長いのが嫌だった。「私は何を長々と見せられてるんだ」って思ってた。

でも、この切なくて救いのないオチは好き。サッドエンドばんざい!
主人公が死ぬ映画にハズレなし(嘘)

タイトルは、1世紀に活躍したパエドルスの寓話「All the old knives that have rusted in my back, I drive in yours(私の背にある錆びついた全ての古いナイフを、君の背に突き立てよう)」に由来するそうです。恋人に裏切られた積年の恨みや疑念が、最後の一瞬に降りかかってくることを考えると、回りくどいけどセンスのあるタイトルだなと思うよね。
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