深夜に酔っぱらって渋谷のマンホールに落ちてしまった男の脱出劇。
地元警察署に電話するも場所を特定してもらえず、知人友人に片っ端から電話しまくっても皆寝ているのか繋がったのは5年前に振った元カノのみ。
元カノに迎えを頼むものの、警察官ですら特定できなかった場所を看護師の元カノが特定できるわけもなく、主人公が思いついたのがSNSの利用。
この発想は面白かった。
ネット上の見ず知らずの不特定多数の人に助力してもらい主人公が問題に挑む物語の走りは『電車男』だろうか。
アメリカ映画でもSNSを利用したドラマは多くあるが、どうもあちらは実名公開したリア友との繋がりが主だっている気がする。
匿名性を活かした利用は日本映画ならではないだろうか。
本作の主人公も匿名性を活かし、「女の方が助けてもらいやすい」という安直な考えで「マンホール女」としてSNSで助けを求める。
アイコンもしっかり拾い画の女の子の写真を加工して(あまり変わってないけど)アカウントを作成する。
天候や電車の音等を頼りに、SNSユーザの情報を元に状況を把握していく様は見ていて面白かった。
発想は良かった。
だがしかし。それ以外があまりにも杜撰過ぎて段々制作側の作品への愛情が感じられなくなってしまった。一から十まで無理があるだろー。
閉じ込められた主人公がSNSで不特定多数の人々と力を合わせて状況打破するという構想のみで見切り発車してしまった脚本。
リアリティラインが低いというよりもはや破綻しているので、途中経過は面白かったが評価は低くしておく。
一応突っ込んでおく。
・主人公スマホアドレス帳の細工、たぶんその設定エラーになるのでは？
・エラーにならなかったとして、5年も前に別れた女の電話番号すら取っておく男だぞ。膨大な量なのでは？ツール使った？
・スマホのパスコード解除よくできたね。生体認証はエラーが出た場合や不定期にパスコードのロック解除を求められる。生体認証で解除するつもりだったとしてもそのタイミングが合わなければ計画おじゃん？
・というか5年も前に振った女の番号いつまでも保存しておくな。キモい。
・犯人、限られた時間で良く一人で様々な細工をしそこまで運べたね。あの軽自動車で。
・犯人、声優にでもなったら？よく真似できたな。
・よくあるケガのセルフ応急処置。私はできる自信がない。だって擦り傷にマキロン塗るのだって飛び上がる程痛いじゃない！
・マンホール女のアイコンが拾い画の杜撰な加工であることになぜ誰も気づかない？
・爆発の時点で普通死ぬ。お前はジャック・バウアーか。
・主人公のベタな命乞いで計画を断念しようとする犯人。お前の想いはその程度か！
・正義に乾杯！の人の行動力がアツい。
・ラスト警察が来るらしいけど、どうするつもり？
・素直に110番しろ。
・「正義に乾杯！」がマイブームになりつつある自分が悔しい。ふとした瞬間口走ってしまう。
正義に乾杯！
