面白くはないけど駄作と言うほどでもないフツーとしか言い様のない浪花節映画…。かの鈴木則文だって初めから奇才というワケではなかったことが分かる。
霊柩車を発明した男の一代記とは面白そうだと思ったものの、霊柩車がどうしてあんな特異なデザインになったとか、要は発明の過程がほとんど描かれていなくてガッカリ。発明のきっかけさえもイマイチ分かりにくい。
葬儀屋になるきっかけになった主人との出会いや、その主人との別れなど肝心な浪花節シークエンスもクサすぎて辛い。
葬式屋という特殊な業種における近代化合理化を図ろうとする藤田まこととオールドスクールな主人の対立が物語の軸だけど枝葉がつまらない。細かいところも雑。
兵役に行くエピソードはまったく不要なような。監督らしい反戦メッセージ的なものもないし。
同業者が葬式を破壊しにくるというエピソードもメチャクチャで意図不明。その間一髪の後にこれが新方式の葬式と言うようなセリフがあったけど何が新方式なのか分からず。
富司純子のブサイク加減には驚いたけど、これが3年後には緋牡丹博徒になるのだと思うとグッときた。
そんな感じでした。