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レジェンド&バタフライのTERUのレビュー・感想・評価

レジェンド&バタフライ(2023年製作の映画)
4.3
脚本
★★★★☆
演出
★★★★☆
アクション
★★★☆☆
木村拓哉成分
★★★★★★
綾瀬はるか成分
★★★★★★


試写にて一足先に鑑賞

同監督、活劇満載のるろうに剣心とは違い、終始信長と濃姫のドラマが展開される。
テイストとしては「るろうに剣心最終章」が最も近かった。
多少中弛みあったものの、2時間48分と言う上映時間はあまり感じさせない。

完全に[木村拓哉]の信長だったが、この信長は[木村拓哉]でないと出来なかったと断言できる。
脚本、予算、企画規模、演技力、多くの要素を鑑みるに他の誰であってもこの信長を違和感無く演じ切る事は困難だっただろう。

有名すぎる織田信長の最期だが、この信長は不思議と「もしかしたら」と思わせてくれる。
助かるんじゃないのか、上手くいくんじゃないのか、そんな思いが去来する不思議な体験だった。
「そうあって欲しい」と言う願いでもあった。
これは彼の結末をよく知る我々日本人ならではの感情だろう。

残念な点としてはモブ周りの衣装や美術、異国人の描写に現代臭さが残ってしまっていたこと。
考証が十分ではなかったのかもしれない、予算をかけているならこの点ももっとこだわって欲しかった。

信長と濃姫のやり取りなども含めると、初めから時代劇というよりは現代劇として見るのが良いかもしれない。
「時代劇」としての出来は『関ヶ原』の方が断然好みだ。
本作は人間ドラマに重きをかなり置いているが、合戦などの規模の大きい群衆の描写で画面を彩れば、エンタメとしてもっとバランスが取れたとも思えた。

スペクタクルエンタメ時代劇と言うよりは、夢、愛、希望を経験し成熟した大人が楽しめる時代劇恋愛人間ドラマ。
2人がイチャイチャし過ぎないのも良かった。
あくまでも日本人としての恋愛が描かれている。

1900円分は存分に楽しめるはずなので、今後の邦画を応援したい人達は是非劇場で鑑賞してみて欲しい。
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