まくないと

スーパー・スキャンダル・マーケットのまくないとのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

登録している派遣会社から回された仕事で嵐の港町に行く男。
スーパーマーケットのレジシステムの復旧をしていく内に、不審な金の流れに気付く。

この抜かれた売上金を巡るサスペンスが概要で、その欲にまみれた人間模様が大きな見所。
昨今のハリウッド的な派手さ、仕掛けは一切無く、寂れた感のある町に似合う、映画としては地味な展開だが、主役始め、各キャラの人物像の作り込みが上手く、この関係性から生まれる予定調和で無い展開に引き込まれ続けた。

主役はどことなく、「ロング・グッドバイ」のエリオット・グールドに重なる。
外見もそうだが、自由の利く仕事をし、客にも媚びない世捨て人の様なのに、一方で人懐っこいキャラというのも似ている。
そして最後に気怠い美人妻の真実を暴く場面は、無関係と思われない。

冒頭の寝惚けた姿から嵐で荒れた町、宿泊客は一人なのに夜には酔っ払いで賑わうホテルと、相当な映画好きが作ったのだろうと感じる粋な作品だった。