衣装、歴史や所作など専門家の意見を仰ぎ、徹底して似非オリエンタリズムを取りさったそう。
指揮者ルイゾッティ曰く指揮者こそ無力、音楽は楽譜の中にあり演者が引き出す。また音楽が良すぎるので、この話は悪人すら神に見えてくる、と。解説で蝶々さんの魅力は、純粋に愛を信じる姿勢だ云々。
本当に耳に溶け込む流麗な音楽。異文化理解の難しさ、女性と東洋蔑視。蝶々さんがあれほど待っていた人の訪れは全ての喪失と永遠の別離。献身的な愛と最期の誇り。
すらすら見れてしまうが深く重い。
主役のアグレスタは純心な少女から全てを悟る幸せから絶望へのくだりの鬼気迫る緊迫感など素晴らしい。ライスのスズキも、裏のない誠実な感情 がにじみ出ていて良かった。
男の子が無垢で天使のような表情を見せた。