マダムウェブおよびガールズヒーローのオリジンストーリーとして普通に楽しめた。たしかにSSU作品なのでスパイダーマン的アクションを期待していたが、原作ではマダムウェブは戦闘力が皆無ということもあり、その分、予知能力を生かした戦い方を見せていた。本音を言うと、3人の少女たちとエゼキエルのド派手な戦いも見たかった。昨今の興行収入の下落や低予算などの関係もあるだろうが、なんとも惜しかった。しかしながら、主要人物の背景などの設定には粗さがあり、すっきり見終えたとも言えなかった。そして何より「ミステリー」感を感じなかった。キャシーが自身の出生を調べるという点をミステリーというなら流石に弱いように思える。ヴィランもエゼキエルと明確に提示されているし、キャッチコピーと内容がどう見ても一致してはいない。それこそドラマのロキのほうがSFミステリーといえるだろう。う～む。
とはいえども近年のSSU作品では一番完成度が高かったと思う。個人的にヴェノムとモービウスは盛り上がるアクションシーンに至るまで時間がかかっていた記憶がある。アクションや緊迫感はマダムウェブのほうが早い段階から始まっており、前のめりに見る姿勢になった。
コロナ禍になってMCU含めたアメコミ映画の評価が著しく下がっている。たしかにエンドゲーム以前と比べるとその評価は否めない。当初の予定や計画がコロナで上手くいかなくなって、その影響が作品自体にも反映されてしまったのだろう。どんなジャンルもいずれ廃れる運命にある。それでも、一度愛してしまった以上、今後も期待しつつも追いかけていくのだろう。ということで、デッドプール&ウルヴァリン、期待しています！
