瀬戸内ジャクソン

死体の人の瀬戸内ジャクソンのレビュー・感想・評価

死体の人(2022年製作の映画)
3.8
『死体の人』
空回りする人生の中で死体専門に落ち着いた役者吉田広志。
偶然出会った女性をきっかけに命の尊さを知り、またある出来事を起点にして彼の歯車は再び動き出す。

演じるというよりも憑依に近いというか、改めて奥野瑛太の力量に驚く。

熱量高く演じた唐田えりか、ミュージシャン崩れのダメ彼氏を見事に演じた楽駆らの若手がまた良かった。ナイスキャスティングのきたろうさんもまた。

それにしても我らがマイティー奥野瑛太、今までとはまるで異なるキャラクターを演じながらもお見事。底知れないポテンシャルを持ってるなと改めて感心しました。
今後の作品がまた楽しみです。

他のユーザーの感想・評価

だるま

だるまの感想・評価

3.0
なんかちょっといろいろカオスだけど意外と面白かった からたがでてた
Aki43

Aki43の感想・評価

3.8
1週間限定上映と言う事で早めの鑑賞。

唐田えりかさん目当てだったけど
これがなかなか良くて。
やはり演技は上手い女優さんですね。
大満足!

小さい作品ながらも鑑賞後感も最幸に良くスクリーンで出逢えて本当によかったです。

誰かの役に立ってる。
それに氣付けたら人生捨てたもんじゃありませんね。

烏丸せつこさんのお母さん役はちょっとやばかったです。( ; ; )
お母さんに会いたくなりました。
てぃと

てぃとの感想・評価

4.0
10:05 スクリーン2 A-2

#草苅勲 監督『 #死体の人』
演技に対するこだわりは人一倍強い広志。いつしか死体役ばかりになっても変わらず。しかし現場では効率を求められ 空回り。
ある日デリヘル嬢に頼み事をされて…
自分の好きな事ばかりをしていたいが歳を重ねれば 迷いも。 #奥野瑛太 さんがあまり見た事ない役柄だけど、もちろん良かったな。そして 親との関係なんかはもう!そして #唐田えりか さんの最初と最後の表情の変化。笑えて、泣けて 自分の事もいろいろと振り返りました!
良かった!
KOZO

KOZOの感想・評価

4.1
亡くなった大杉漣さんをはじめとした「バイプレイヤーズ」の面々のような名脇役たちに続くと期待している奥野瑛太、独特な爬虫類系!?な風貌からチンピラ役で主役にボコられてる印象が強いのだけど、Wikipedia見たら出演作の多いこと。『空白』の数分だけしか出演していないのに感情を揺さぶるラストシーンは素晴らしかったな。
この人の11年ぶりの主演作。

相手役は“事件”を乗り越えてミニシアター系作品から復帰して地道に頑張ってる唐田えりか。前作はタイミングが合わず見逃したので楽しみにしていた。

小劇場の座長だったのが、今は売れない役者、来るのは死体役ばかり。死体役についてのこだわりが強すぎて監督に怒られ、事務所から怒られ…のシーンは笑えるけど哀愁が。
交通整理のバイト先で死体感を失わないようにと日焼け止めを塗りたくって白塗りみたいになるのも。

そして、稼いだお金を売れないミュージシャンでギャンブルにはまってるクズな彼氏(『最初の晩餐』の楽駆やん!あんな田舎の素朴な高校生やったのに…)に貢ぐ生活を送るデリヘル嬢。

こんな生きることが不器用な2人が出会い、「生きること」「死ぬこと」に直面することになって…

笑って泣ける人間ドラマ。主人公の両親役のきたろうと烏丸せつこがいいアクセントに。特に烏丸せつこの迫真の演技は素晴らしかった。

後半のあるシーンの展開が強引というか、やっつけな印象だったのが少し残念だけど、役者たちの熱演は楽しませてもらった。
前髪を下ろしてる奥野瑛太、今作は弱々しい役だったけど、革ジャン着せたらロックミュージシャンみたい。
奥野瑛太と唐田えりかはこれからもチェックしていきます。
「好きなことを貫け」。
MashO

MashOの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

1週間限定上映と言う事で公開2日目に上映前の舞台挨拶付の回で見ました。
演劇を志しながら芽が出ず「死体の人」ばかり演じている広志、自堕落な生活を送る彼氏に貢ぐデリヘル嬢の加奈。そんな2人を奥野瑛太と唐田えりかが演じています。
広志は「本物の」死体役を演じるために日々報われない努力を、加奈は彼氏に献身的に尽くします。
色々ありますが、報われる結末で、ある種ほのぼのしたendingで良かったです。

奥野瑛太については、これまであまり意識していなかったのですがここ2、3年に鑑賞した映画に数多く出ており、結構有名なバイプレイヤーである事を知りました(ごめんなさい)。
唐田えりかは件(くだん)の出来事以降暫く見なかったのですが、昨年から数本で主役や凖主役を演じており(私は「の方へ、流れる」と本作だけですが、正しくは分かりませんが他にも2-3作品あるようですね)、本作でのデリヘル嬢役はある種吹っ切れたと言っても良いのではないかと個人的に思いました。
舞台挨拶での話し方や立ち振る舞いと演技とのギャップはいい意味で大きく異なり良かったです。
まさ

まさの感想・評価

3.9
作品の感じからチョイス。そして唐田えりかが出てることも理由の大きな一つであることを否定しない。生と死、好きなことを続ける難しさと尊さ、親への愛、子への愛、と色んな要素がこれでもかと詰め込まれている。強引な演出もあることは否めないが、全体としていい感じにふんわりとまとめ上げられていて、違和感よりも心地よさが勝る。いい年したおじさんとしては、どうも親目線で見てしまう。不器用でも好きなことを貫く我が子を、いつまでも応援する母の姿に、自分を省みつつ、胸を熱くする。コミカルな描写もあり、鑑賞後の満足感は十分。出演陣も素晴らしい。奥野瑛太の新たな一面の素晴らしさを感じたし、唐田の演技と、素なのか作ってるのか分からない甘ったるい雰囲気も相変わらずいい。脇を固める烏丸せつこと、きたろうも素晴らしい。単館系作品らしい、素朴でほっこりできる作品。
イゲ

イゲの感想・評価

3.5
ちょっとだけ笑えて泣けるハートフルコメディー系の邦画。
本年度ベスト級。

良作の予感がして期待して鑑賞したけど自分には何だか物足りず、もうひと捻りあれば満足度が上がった感じ。
だけど観ていて心地よい作品だった印象。

死体の役専門の広志。
バンドを解散し仕事もせず麻雀に明け暮れる彼と、その彼を風俗で働き生活を支える加奈。
この3人を軸に展開するストーリー。

ひょんな事から広志が風俗嬢の加奈と関係を持ち、二人の体にある変化が起きる感じ。

本作は「死」と「生」を対比して行く見せ方が良かった。

唐田えりかさんの風俗嬢の姿がお似合いで商売上手(笑)
そして彼氏の事を気遣うメッチャ良い人って感じ。

広志の死体役を演じる拘りがメッチャ面白い。
死体の役だけど台本を読み込む姿勢が凄いけど空回り気味(笑)

広志の家族に起こる思わぬ展開から雰囲気が一変してスクリーンに引き込まれる。
広志役の奥野瑛太さんの演技が凄かった。

広志の部屋で加奈とある大芝居をするシーン。
加奈の迫力ある演技に圧倒。
加奈は風俗嬢より役者がお似合いかも(笑)

ラストも上手く纏めた感じで満足度はソコソコ。

唐田えりかさん。
久し振りにスクリーンで観たけど美しかったです( ´∀`)

自分メモ
https://youtu.be/635-4EcMsl8
https://youtu.be/P7eZbggZHPs
焼き鳥Z

焼き鳥Zの感想・評価

3.8
笑うところもあり、泣きそうになるところもあり、結構楽しめた。

何で検査薬で陽性?って思っていたらそんなオチとはね………

『死』と『生』によって生き方を見つめ直すことが出来たんだなぁって伝わってきた。
妊娠検査薬のくだりめっちゃくちゃ面白かった

見終わった後優しい気持ちになれる様なハートフルなコメディだった

辛い事ばかりの人生でも良い事あるかも死体役でも続けてれば報われるかも?
SAWADAN

SAWADANの感想・評価

4.7
「RRR」見に行ったら、時間まちがえてコレがちょうど始まる時間でみました。
傑作じゃないですか!
その後に見た「RRR」も良かったけど、想定内。
これは、完全に想定外の面白さでした。
最後の伏線回収は楽しく、全体的にはコミカルなんだけど、胸が熱くなる絶妙さがある。

安定の奥野さんの芝居にプラスで、「寝ても覚めても」の不安げな演技から完全に脱皮した唐田えりかさんの芝居。彼女がいろんなことを経験して、俳優として脱皮したことがよくわかります。
楽駆さん(おそらく初見の役者さん)のクズだけど、自分の努力を恋人に見せないあたりの芝居が良かったです。
そしてそして、烏丸せつこさん、きたろうさんの両親の芝居が、サイコーです。笑えるので、ココでは書けませんね。

「死体の人」というタイトルで、この内容、キャスティングもそんなに強いわけでもなく、なかなかに苦戦してそうなんだけど、こういう映画が、シネコンでも上映されて、気軽にみられるような映画環境になると良いなとも思います。
なので、応援しなきゃという想いも込めての点数ではあります。

地方だと、アニメと大作しか上映されないという昨今のシネコンは
私のような地方に住んでて週末に都心へ映画を見に来なければならない者には、悩ましいです。
コロナが明けて、様々な映画が全国で見られるようになりますよう。
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3.0

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このレビューはネタバレを含みます

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