スワット

スイッチ 人生最高の贈り物のスワットのレビュー・感想・評価

4.0
2024年 劇場鑑賞8本目
マ・デユン監督作品による、売れっ子俳優とそれを支える敏腕親友マネージャーの人生がクリスマスの日に入れ替わってしまった⁈というハートフルコメディドラマ映画。

これまた良質な韓国映画でした…。思わず涙を流してしまうシーンもちらほら。
本当に人間ドラマを描かせたら韓国映画の右に出るものはいないんじゃないか?と思わせてくれます。

パク・ガンを演じるクォン・サンウとチュ・ユンを演じるオ・ジョンセはもちろんですが、個人的なMVPとしてはロハを演じるキム・ジュン君。
この子が画面に映ると映画枠内の家族が本物の家族に見えてきて、とても尊い存在に見えてきます。華もありますしね!
パク・ガンが頭はたいてるのに何度も突撃しているシーンとか可愛らしくて堪らないです笑

元々パク・ガンの第二の成長ストーリーだと感じて鑑賞していたので、さまざまな表情を見せてくれるクォン・サンウの演技にももちろん魅了されます。

しかしこの映画のストーリー展開は結構緻密に作られていると感じました。
表テーマとしての映画のオチの付け方的にはパク・ガンの人間的な成長・時間を取り戻す青春ストーリーの枠組ではあるが、裏テーマには人間には各々が輝ける場所や環境があるという事。
入れ替わった人生でもパク・ガンにはスター性、俳優としての矜持を持ち合わせている人物であること。チュ・ユンはその優しさや優柔不断のあまり、人を支える・助ける才能を持ち合わせていること。これは残酷な現実でもあるし、私達に突きつけられた非常な通告ではあります。
あまり考えたくないですが、人にはそれぞれ生まれた星の元で生きていくしかない事を案に示しているのですね…
ただそこで生きていく方法は自分で考え、行動していく事で変えていけるというメッセージをこの映画から受け取りました。

最後のこの環境にもう戻れないと悟ったパク・ガンの表情でどうしても涙が頬を伝ってしまいました…
どうしても戻れないクリスマス…悲しく尊いです…
しかしそこからまた立ち上がるパク・ガンへと成長していた事は唯一の救いです。スミョンが描いた絵画へと繋げるラストシーンは少しクサい演出ではあるのですが、そんなの関係ねー!と映画の世界へ没入していた事は確かです。

地味に面白かったのが、イ・ビョンホンって向こうでは低ギャラという認識があるのですね笑
スミョンを演じたイ・ミンジョンの夫という事も後で知ったので、少しメタ的なコメディ要素に感服です。

鑑賞後にパンフレット買ったのですが、センターページのショットがパク・ガンとチュ・ユンの関係性をよく表したものなので是非買って見て頂きたい。
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