ヒラツカ

ブラックベリーのヒラツカのレビュー・感想・評価

ブラックベリー(2023年製作の映画)
3.3
スマホ前夜にキーボード型電話で市場を席巻したリサーチ・イン・モーション社の興隆と凋落。僕はその昔docomoから出てたBold 9700を使ってたので、RIM社にはきちんと個人的な思い入れがあるんだけれど、背景にこんなドラマがあることはぜんぜん知らなかった。まず何と言っても、ジム・バルシリーの気持ち良いほどのパワハラキャラが素晴らしい。徹底的に受話器を殴りつけるくだりが2回、僕は物をめっためたにぶち壊して怒り狂うくだりが大好きなんですよね。でも、本作の場合、他人の会社の備品が気になって分解しちゃうくらいに機械を愛するエンジニアであるマイク・ラザリディス、そのまさに対極にいるという関係性にもなっていて、まったく無駄のないキャラクター造形だと思った。そして、「工学オタクたちの中ではいちばん喋り上手」であるダグラス・フレジン、これもまた魅力的な登場人物でした。着てる映画Tシャツがいちいちかっこいい彼は、絶対に管理職にはならず、若手たちの良きメンターであり続ける。どの会社にも、こういう人いますよね。最終的にマイクと仲違いしてしまったのは寂しいけれど、最終的にはいちばん幸せになったようでなによりだ。
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