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AIR/エアのpenのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
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時折挿し込まれるスローガンとエピソードで仕事映画としての側面を強調する一方、主人公がギャンブル好きであることを示す冒頭を発端として、入札交渉がまるでポーカーのように展開しているのが面白い。
各社各人が互いに手札を見せては隠し、腹を探り合う。

最終的な条件詰めで、ジョーダンの母親はレイズしたんだと感じた。
ソニー側から見れば乗り越える必要のある難所といってもいい彼女もまた、交渉の場で大きな賭けをしているプレイヤーの一人であることが、電話口の向こうで見せる表情から私達は知るのである(ソニーは当然そのことを見てないから知らない)。
そうした駆け引きが描かれながらも、面を突き合わせて話す場面ではソニーが思っても見なかった相手の一面、素性が引き出され、勝負を仕掛け前進する彼の虚を衝く。そんな描き分けが好きだ。

ソニーが交渉結果の電話を待つ間に流れる曲はシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」で良いんだろうか?
ともかく曲調からしてラブソングであり、そういった曲をあそこで使うのはちょっと笑ってしまった。

ベン・アフレックにはもっと映画を撮ってもらいたい。クリス・タッカーは良い役者だ。
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