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テン・ストーリーズののらシネマのレビュー・感想・評価

テン・ストーリーズ(2022年製作の映画)
3.0
宮崎大祐監督作品、ということで鑑賞。

どれがどの監督のかを出さない構成は、作品を色眼鏡なしに観れてよかったけど、十戒をテーマにしてるって前提を理解して観ればもう少し繋がりが見えたかも。

印象的だったのは、メインビジュアルにもなっている作品(たぶん『The Day Of The Dogs』)と、『Madam The Whisper』。

『The Day Of The Dogs』は。短い尺の中できれいに起承転結まとまった構成で観やすかった。この後の展開を予感させつつ見せないラストカットが絶妙。

『Madam The Whisper』は、前後とつながった連作のような構成。コメディのようなハリネズミ強奪の末に、悲しげに歌を口ずさみながら夜道を歩くシーンは、『カビリアの夜』を彷彿とさせた。

最初の三作品は、宮崎監督の作品。宮崎監督の短編は初めて観たけれど、本当は全員そのはずだった10分という限られた枠内で、どれも1日で撮られたという、実験的な構成。
物語の断片のような構成で、それゆえにいわゆる映画らしい起承転結はなく、面白い・面白くないという評価はしにくいものの、不思議と印象に残っている。

全体的に、実験映画として観た方が楽しめると思った。
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