小屋

いますぐ抱きしめたい 4Kレストア版の小屋のネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

やばい、つまらなかった…。
ウォンカーウァイは他の作品を見て好きだったので今回見てみたが、苦手だなぁと感じてしまったので、その理由を考えてみる。
まず、ジャッキーがうざすぎる。頭が悪いのに口と度胸だけは達者で、結局アニキに毎回助けてもらってる。映画の中で、チンピラのボス?みたいなやつが主人公に「ジャッキーとは縁を切れ、あいつは常軌を逸している」みたいなことを言っていて、映画の中でこいつだけが冷静だと感じた。たぶんこんなに酷いキャラになってしまってる理由は、「弟分想いのアニキ」という設定を作るために、過剰にアホさをマシマシにしてしまったためだと邪推する。でもさ、ここまでしなくても良くないか……。しかも納得できないことがあると、衝動的に怒って暴力で変更しようとするし全く共感できない(主人公も同じく)。
つぎに作品のストーリー。これは香港ノワールの作品と聞いたが、香港ノワールって日本でいう「ヤクザ映画」みたいなものなんだろうか。その古臭い人情みたいなものがくどかった。映画の最後の方のシーンで、主人公がジャッキーの故郷に行くシーンがあるが(主人公いきなり登場するの面白すぎる)、もう弟分のことを見捨てられないのはわかるのに、悲壮感漂う音楽をバックに「俺を捨ててくれ!」みたいなやりとりをずっとしてるから、「とっとと殺しに行けよ…」という感情になってしまった。ウォンカーウァイの他の作品でも刹那的な人物が多く出てくるが、この作品の登場人物はクールさに欠けている暑いバカだから、見てられない。
あと音楽も、80年代popsに満ちていて、あんまり好みじゃないので辛かった。でも、同じく80年代popsに満ち満ちている初代トップガンはめちゃくちゃおもしろったので、映画をつまらなく感じたからかもしれない。
ただ、映像こ綺麗さなどはやはり良かったので、そこはみる価値があると思う。最初の方、ビリヤード場で走って逃げるルーンが好きだ。
ただ脚本が残念すぎるが故に、犠牲にされている登場人物たちが可哀想だったし、“衝動的だが義理と人情がある”みたいな男気をいま見せられても正直つらい。レトロスペクティヴで、最初にリマスターされなかった理由がわかった。
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