パリのシネマテークで鑑賞したが、見ている間もそうなんだけど帰り道泣きながら帰ったのは初めてだ。
最高の青春映画だと思う。
フランソワトリュフォーが絶賛したというドワイヨン初期のこの作品、こんなにいい映画が日本であまり見られていないというのは残念。たしかにトリュフォーの突然炎のごとく的な悪気のないオープンな三角関係(男女比的には恋のエチュードだな)ではあるんだけど、決定的に違うのは「頭の中の指」で見られるリアリズムだろう。冴えないくせに主人公は二股してるし寝坊するしバイトクビになるし、2歳も年下のリヴにまともな別れの挨拶もできない。そしてそこにはジャンヌモローのような確固たるヒロインの姿はないし、一つの部屋で単調に流れていく時間は息詰るものなのだが、胸が締め付けられるような気持ちは一瞬も止まなかった。
人は若さ故に人を傷けてしまうんだよね。
好きなフランス映画はと聞かれたらこの映画を間違いなく挙げたい。