大地震に被災した母親で、海辺で目を覚ました後に離れ離れになった息子を探して避難所を訪れるも誰も自分の存在を認識しないことを訝しがる美奈子。そこで自分の死と強い未練を残すため生と死の境にいると告げられた彼女が、各々の事情で彷徨う人々と知り合い、求め人を探す「パレード」に参加する様を描いたファンタジードラマです。
Netflix Japanに所属する映像プロデューサーで『全裸監督』や『浅草キッド』といった話題作を次々に手掛ける坂本和隆が近年の活躍目覚ましい藤井道人の監督・脚本で制作したNetflix公開作品で、長澤まさみ、坂口健太郎、横浜流星、森奈々、リリー・フランキーらの豪華なキャストが様々な無念を抱えた故人に対する鎮魂の物語を彩ります。
『新聞記者』で藤井監督を見出してその後も『ヤクザと家族』『ヴィレッジ』を手掛けるも亡くなったプロデューサー河村光庸への想いをこれまで携わった作品のエッセンスと共に描きます。限られた尺でいかにもキレイにまとめられた物語は予定調和で人の「未練」の深みを表現し切れてるとは言えませんが、やりたいことは分かる一作です。
