メタ壱

セーヌ川の水面の下にのメタ壱のレビュー・感想・評価

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)
3.7
海洋保護活動の中でサメにより仲間の命を奪われてしまったソフィア。
3年後、仲間の命を奪ったサメがパリのセーヌ川に迷い込んでいるという信じがたい事実を環境保護団体のミカから聞く。
セーヌ川を使ったトライアスロンの大会が目前に迫る中、ソフィアはなんとかそのサメを海に還そうとするのだが…というお話し。

多くのリアル志向のサメ映画と言えば、圧倒的に凶暴なサメに人間が襲われるソリッド・シチュエーション・スリラー的な作品が一般的。

そしてサメは、人を見つけたら問答無用で襲いかかるまるでモンスターの様に描かれます。

でもこの作品はその型とはちょっと違うのが新しい!

このサメはモンスターとしてのただただ凶暴な存在じゃない、自然の怒りの権現だ!

人間の特徴と言えば自らが環境に適応しようとはせず、環境の方を人間に適応させようと自然を作り替えるという点。

だけれどそれ故に、作品の冒頭でも出てきた“生き残るのは強い者でも賢い者でもない、変化出来る者だ”という言葉の様に、一度環境が変わってしまえば生きていく事が困難になるのも人間。

自分たちの為に環境を作り替えたはいいものの、その結果として大きく破壊された環境は人間を孤立させ自らを窮地に立たせます。

人間は地球の頂点に位置する存在なんかではないのだ!

人間の、地球を蔑ろにしてきた傲慢さへのカウンターパンチ、そうそれがサメ!

衝撃的な終わり方も最高で、続編を期待せざるをえません!
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