BlueDance819

劇場版 アナウンサーたちの戦争のBlueDance819のレビュー・感想・評価

3.0
2004年3月『ニュースステーション』最後の放送でキャスターの久米宏氏が語った言葉が今も印象に残っている。
営利企業である民放はスポンサー等のしがらみも強いが、それでも自分は民放を愛してるとした上で、その理由を彼はこう述べた。

「日本の民間放送は原則として全て戦後に生まれました。民放は戦争を知りません。
国民を戦争に向かってミスリードしたという過去は民間放送にはありません。
これからもそういう事が無い事を祈っております。」

この言葉の重みを改めて感じた作品だった。
当時の日本放送協会は現在のNHKの前身組織。戦争に加担した唯一の放送局であるNHKにしか描けない題材ではある。
太平洋戦争の知られざる側面。
ますます虚実が曖昧になる現代、人心を動かす大きな力であるマスメディアとプロパガンダの関係性を問う。


『スパイの妻』『37seconds』『風よ あらしよ』など、近年NHKは自局製作の単発TVドラマを再編集して劇場版として続々と公開しているが、
これまでの作品と比べると本作はかなりストレートにTV番組的な趣。
実際の映像を使ったドキュメンタリーと再現ドラマの中間くらい。
映画的な情緒を欠いているのは否めないが、その代わり分かりやすく歴史を解説してくれる。


【TV放送】
TVドラマ版 NHK総合(NHKスペシャル)
2023.8.14 22:00-23:30

【公開劇場】
TOHOシネマズすすきの8.16(金) 〜
シネマディクト8.17(土) 〜
フォーラム仙台8.16(金) 〜 
イオンシネマ新利府8.16(金) 〜
TOHOシネマズ 日比谷8.16(金) 〜 
シネマート新宿8.16(金) 〜
池袋シネマ・ロサ8.16(金) 〜
小田原コロナシネマワールド9.6(金) 〜
あつぎのえいがかんkiki8.16(金) 〜 他
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