洋梨

戦場よ永遠にの洋梨のレビュー・感想・評価

戦場よ永遠に(1960年製作の映画)
4.0
映画としての完成度は極めて低い。日本人としては失笑を通り越して憤怒すら覚えてしまうシーンが満載だ。だがこの作品が目指した処は崇高でその志は極めて高い。ただ、脚本、監督、カメラマン、役者、本作に係った者すべてが、この崇高な志をどうやって形にしたらよいか判らなかっただけなのだ。あと予算と時間もなかったんだよね?
両親と死別し孤児となった白人の男の子ガバルドンは、日系移民の教師に引き取られ家族同様に育てられる。一緒に暮らすうち自然に日本語を覚え日本人に愛着を感じながら成人する。幸福な日々は長くは続かず真珠湾攻撃によって育ての親は収容所へ送られる。再び独り取り残されたガバルドンは、海兵隊に日本語通訳として志願し「バンザイクリフ」で有名な太平洋戦線はサイパン島攻略部隊に配属される。当初は得意の日本語で降伏を促し一人でも多くの日本兵を救おうと奮闘するものの、日本兵に戦友をなぶり殺しにされて以降復讐鬼ジャップキラーに変貌するが…
前半、海兵隊に入るまではすこぶる快調。サイパン上陸以降の中盤終盤は、戦闘シーンがショボ過ぎるのと日本兵の描写が駄目過ぎて一気にダレる。でも、やりたかったことは判るんだ。ただ、それができていないだけで。ちゃんとしたスタッフが今リメイクしたらイイ映画になると思うんだが…
早川雪洲の奥さん青木鶴子の名演と中盤の日米対抗ストリップ合戦がお気に入り。
ちなみに、この話実話だそうです。http://www.47news.jp/CN/200609/CN2006090501001034.html
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