藤川幸樹

メーヌ・オセアンの藤川幸樹のレビュー・感想・評価

メーヌ・オセアン(1985年製作の映画)
4.3
主人公が悪党を倒したり女の子を射止めたりするような"目的意識"のある往年の活劇とは対照的に、バカンス映画では、何も起こらない。この"何も起こらない"バカンス映画にこだわったロジエが、あまりにもバカンスし過ぎた結果、主人公の"目的意識"どころか、主人公も変わっちゃうし、そもそも提示されてた目的地にはたどり着かないし、どっか飛んでっちゃうし、延々とズラしにかかってきて、バカンス映画の極北、といった風情。ラストにかけてやや冗長ではあるが、あの停滞感はバカンスを突き詰めた者にしか撮れない、一級の停滞感であり、批判はお門違い。
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