ササキ

愛と誠のササキのレビュー・感想・評価

愛と誠(1974年製作の映画)
3.5
原作は読んでないが漫画的世界を維持しつつよく実写化された作品。

誠役の西城秀樹はとにかくかっこ良く、三部作で一番良かった。早乙女愛も演技はそれほど上手くないが浮世離れした顔立ちで世界観に合っていたと思う。

実験的な演出も面白く、大林映画が好きな人は気に入るかも。愛と誠の会話劇において背景を大胆に真っ赤に染めたのは効果的だったし、手紙を読む愛の背景に手紙全文をそのまま合成しているのも漫画的で良かった。
振り向くショットを続けて重ねるのもなんか情緒的というか。

演出、キャラクター両面でリアリズムに偏らなかったのが良かった。漫画の実写化では変にリアルに仕上げようとする傾向があるが、漫画的世界を作るには他の映画の体裁で演出しても無理がある。『ドカベン』『瞳の中の訪問者』などが個人的に漫画的世界の映画として気に入っている。

ちなみにお気に入りは岩清水くん。
「君のためになら死ねる!」が最高に良かった。
ササキ

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