有躰奉申上候。
昭和２０年(1945年)に為作候而(つくらせそうろうて)
GHQの検閲により禁止され、
その後1952年になって公開された映画。
慶長２年(1557年)戦国の砌(みぎり:時)、
主人、黒田長政のもとをわけあって去り、
家来を大勢したがえた又兵衛のその後の物語。
是誠何心哉(これまことになんのこころぞや)、
1945年という戦時中の動乱の時代にあって作られた映画。
何事もあらあらめで度申上まいらせそろ 、
江戸城と書かれた三つ並んだ城も遖(あっぱれ)
ギラリと光る日本刀も遉(さすが)
殿様の間も花美二相成(かびにあいなり)
主役の又兵衛(市川右太衛門)の外貌もいかにも豪快な武者と思ふたまふる。
宇都宮の鶴姫も甚だ麗姿というわけではないが、
個人的には見目良い女で尊げなり。
御けしきよし和の世界がなかなか良かりき。
着物の色思ふ二宜様(よろしきよう)。
フィルムは鳥渡(ちょっと)傷んでる様。
御了簡被下候 (ごりょうけんくだされそうろう)。
Amazonにて新品下直ニ売出し候(げじきにうりだしそうろう:安値で)。
上映時間は６２分と短し。
画面サイズは４：３の昔のブラウン管サイズ。
