れっしゃ

氷の国のノイのれっしゃのネタバレレビュー・内容・結末

氷の国のノイ(2003年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

雪をかき、雪を溶かし、雪を砕く。大寒波にのみこまれた今日は、この映画を観るのにぴったりでした

主人公の青年は、アイスランドの雪景色に磔にされている。閉鎖的で、どこへも行けないのに、孤独は付きまとう

煙草の吸い方は「アーメン」
青年は恋に落ちた女の子に教える

偶然を味方に、ハワイへ駆け落ちする約束をする

近所の店の店主が、キルケゴールの本をクソだと言ってゴミ箱へ投げ捨てる。キルケゴールはデンマーク語で墓場という意味もある

キルケゴールは孤独や絶望や死を論じた天才的な思想家で、実の父の思想の影響が大きかった。この主人公も、天才故に孤独であり、父と同じ道を歩む。主人公=キルケゴールなのか

主人公は、墓場の穴を掘る仕事を始める。誰の墓穴を掘っているのか、、

最後の最後、この映画は、青年以外全員地震で亡くなるという結末を迎え、青年はほんとうの孤独になる

酷い映画だと思うかもしれない。
でも、生涯独り身で孤独を哲学し続けたキルケゴールと主人公を結びつけたなら、この帰結は自然なのかも

南国への夢は、おもちゃの中でしか現実になれなかった
れっしゃ

れっしゃ