このレビューはネタバレを含みます
雪をかき、雪を溶かし、雪を砕く。大寒波にのみこまれた今日は、この映画を観るのにぴったりでした
主人公の青年は、アイスランドの雪景色に磔にされている。閉鎖的で、どこへも行けないのに、孤独は付きまとう
煙草の吸い方は「アーメン」
青年は恋に落ちた女の子に教える
偶然を味方に、ハワイへ駆け落ちする約束をする
近所の店の店主が、キルケゴールの本をクソだと言ってゴミ箱へ投げ捨てる。キルケゴールはデンマーク語で墓場という意味もある
キルケゴールは孤独や絶望や死を論じた天才的な思想家で、実の父の思想の影響が大きかった。この主人公も、天才故に孤独であり、父と同じ道を歩む。主人公=キルケゴールなのか
主人公は、墓場の穴を掘る仕事を始める。誰の墓穴を掘っているのか、、
最後の最後、この映画は、青年以外全員地震で亡くなるという結末を迎え、青年はほんとうの孤独になる
酷い映画だと思うかもしれない。
でも、生涯独り身で孤独を哲学し続けたキルケゴールと主人公を結びつけたなら、この帰結は自然なのかも
南国への夢は、おもちゃの中でしか現実になれなかった