大好きな映画だった。
絶対に分かりきれない父親の気持ち。
エストレーリャに自分を重ね合わせるような感覚になった。
親っていちばん身近にいる絶対的な存在で、でも他人だから絶対に全てがわかることはなくて。
小さい時は自分が無知故にその全てをわかっているつもり(というか親の出来事や感情は自分に向けられているものが全てと信じて疑わない)感覚になるのだけど、自分が成長するにつれていろんなことがわかってきてしまうよねと。
それが親子間の自立のひとつなのだと思うけど、「他に絶対的な思い人がいるのでは?」という疑惑は、父親をより自分の知らない他人として認識してしまうなと。
そうなると、父親の知らない一面を解き明かしたくなるよなあと。大好きだから。
エストレーリャが持ったのは怒りというよりも、父親を知りたいという興味なのではないかなとおもった。淡々とした回想ナレーションのせいかも。
エストレーリャが悶々としてる間、
どこかずっとミステリアスで、沈黙に沈黙で返すアグスティンも幸せと苦悩の間にいたのかなと。
アグスティンの、家族、とりわけエストレーリャに対しての愛情は紛れもなく本物で、アグスティン自身がどっちつかずな自分にいちばん苦しんでいたのかもなとおもった。