これは素晴らしい出来です。
あの京マチ子が特殊メイクで醜女に挑戦した、大正期の大阪が舞台の悲哀物語。
主演を飾る3人の役者が全て良かった。
●京マチ子
醜女ではあるが、心が綺麗なせいか、ちっとも醜く見えず、むしろ愛らしい。
縁談が進もうとする中での表情や仕草、一人の可愛い女性にしか見えませんでした。
入り口の資料コーナーの、特殊メイクの苦労談が面白かった。
●小野道子
鶴田浩二と恋仲にあるも、それ以上に尊敬している、いとはん(京マチ子)に譲る健気な役柄を好演。
あくまでも慎ましく、控えめな女性で良い役でした。
●鶴田浩二
これはもう本当にカッコ良い、まさに「男」です。
同じく尊敬している、いとはんに対して自分に嘘をついてまで結ばれても、彼女を幸せに出来るわけがないと言い切る男らしさ。
最後はいとはんに正直に事情を話して(手紙を見せて)、心から愛する女性(小野道子)を追いかけます。
こんなイイ男が他にいるかって感じです。