Angiii

真夏の夜のジャズのAngiiiのレビュー・感想・評価

真夏の夜のジャズ(1959年製作の映画)
5.0
これは美しい夢、一夜の宝箱である。

セロニアス・モンク、アニタ・オデイ、ジェリー・マリガン…いつも聞いていたジャズメンたちはレコードの向こう側でこんなに活き活きとしていたのか…グルーヴに身を任せられずにはいられない。

所々挿入される無関係(風)な映像が本当に素晴らしい。特に後半、半裸の男が屋根裏部屋でひっそりとバッハの無伴奏チェロ組曲 第一番を弾くのが言葉が出ないくらいよかった。庭では幼き女の子が母親のヒールを履き背伸びしたおままごと、瓶コーラの似合う草むら、男は途中で演奏をやめ、煙草をくわえ火をつけてまた演奏しだす…この"ひと手間"によって過去の追憶は新たに生命を得て水面のようにキラキラと揺れ動きはじめる。

応援上映とか、あったらいいな。
Angiii

Angiii