Nana

還って来た男のNanaのネタバレレビュー・内容・結末

還って来た男(1944年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

「僕は落第ですか?及第ですか?」って、気になってる男の人に聞かれてみたい🤣
それに対する「国民学校に落第はありませんわ。」っていう返事も、なんとも粋でステキ。
立派な軍医さんなのに抜けてるところがあって、自分の思いを話し始めると止まらなくなってしまう、そんな不器用な佐野周二にちょっとばかしキュンとしてしまった。
『父ありき』以来の笠智衆、佐野周二の親子コンビもなかなかに熱い。

小津映画を好んでよく観るためか、川島雄三の作品を観ると画面に大きな動きがあって少しびっくりする笑
「おー、あなたでしたか。今大仏様を見てきたんで、ものが小さく見えてしかたなかったんですよ。あなたに会った途端に普通の大きさになりましたが。」っていうシーンのカメラワークなんて、よく工夫されてるなぁと思った。
佐野周二を下から見上げるようなショットから、「軍医さん!」と声をかけた女の人がフレームインすると、徐々にミディアムショットに変わっていく。
最初は彼から見たら小さく見えていた周りのものの視点なんだけど、女性の登場で普通の大きさになったという変化がカメラワークで表現されていて、これはおもしろい!と思った。

川島雄三は長い階段が好きそうだ、とも思った。
Nana

Nana