深作欣二の映画のなかでも暴力性ではかなりぶっとんでいるのではないか。終始暴虐な菅原文太がとにかくヤバい。すぐキレる、すぐ殺す、すぐ犯す。だがそんな暴力でしか生きられなかった男の生きざまの中に、光るものを感じ...ようとさせはしない。狂気は狂気を生み、混沌とした中で復讐も十分に果たせず無様に、ただ無様に堕ちていく。暴力で生きてきた男に、かっこいい死に様なんてありはしない。敵味方関係なく、ただ醜く死に顔晒すのみなのだ。
一瞬任侠映画のような、綺麗な色調で目を見張るような演劇的演出をしたかと思えば、その直後に強烈な泥臭さを演出したりするのでそこも面白かった。