あにちゃん

ブエノスアイレスのあにちゃんのレビュー・感想・評価

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)
3.8
アルゼンチンを旅行した気分になれる!
観るだけで自分探しの旅ができちゃいます。


だから邦題は「ブエノスアイレス」なのかな?
英題は「Happy Together」で全く真逆の意図なのだが、まあ翻訳というのは面白いもので(笑)
今回は、英会話の要素も含め、レビューを書きます。



ストーリーは、若い青年の成長物語。
主人公ファイは相棒ウィンと共に願望のイグアスの滝に向かう。
しかし、道に迷うわ、車は壊れるわ、金は底を尽きるわで、滝に辿り着くことなく、二人は別れてしまう。
ウィンの言葉に何度も翻弄されながらも、ファイは必死にブエノスアイレスで自分探しに勤しむ。
若さが故か、アイデンティティが故か、愛が故か、青年達は中々思う様に前に進めない。
そんな葛藤の中で訪れる出会いと別れが、ファイ自身も気付かぬうちに、彼を成長させていくのであった。



役者自身が“当事者”でない、という部分が垣間見えたが、少なからずこだわりはあった。
特に、ファイがパートナーの事を「友達」と紹介する場面は現実味を感じられてよかった。

パートナーシップとは、その二人にしかわからない事である。外野がとやかく言う事自体がモラルに欠ける行為だ、という事が映画メッセージなんだろう。
だから、WKW監督はあえて「ゲイ」「カップル」「同性愛」など他者の視点からの言葉を一切使わなかった。


英語には “Non of your business” という言葉がある。日本語訳を見ると「大きなお世話」と訳されるが、実はもう少し強い意味合いを持つ言葉だ。
「要らん世話。お前のことをやっとけよ。」くらいに人をつけ離す時に使う。


パートナーシップ、自己成長に関して、第三者がラベル付をするのは、正にこの”Non of your business”な状態なのである。

ということで「お前には関係ないだろー!!!」というウィンの心の声が“Happy Together”という英題に戻るのであった。



自分自身を見失っていると感じている人。
成長したいのに思う様にいかない人。
つい誰かのせいにしてしまう癖を治したい人。
そんな人たちに観てほしい映画です。