好きで好きでたまらないからこそ執着心がでて意固地になってすれ違っていく様子は見ていて歯がゆいものがあった。
その分、2人がダンスするシーンやトニーレオンがテープレコーダーを前に涙するシーンは、素直な愛が表れていてとても印象的だった。
ふっきれたように「会おうと思えばいつでも会える」と言って、一応ハッピーエンディングぽい終わり方だったけどどうなのかな。
わたしはトニーレオンが肉屋で働いてる時、床の血を水で流してたシーンを思い出しちゃう。一瞬、血は捌けるけどまた戻っていく。ウィンがまた目の前に現れたら…?と考えてしまう。
ブエノスアイレスは、2人の物語のある一章でしかないようにも思える。
90分とは思えない重たく濃密な時間と、トニーレオンの憂いの表情、色彩と音楽…と好みではないながらかなり記憶に残る作品でした。