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エスケープ・フロム・L.A.のmgcのネタバレレビュー・内容・結末

エスケープ・フロム・L.A.(1996年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ニューヨーク1997の続編。
カーペンターの反骨心の結晶。
前作のパターンをなぞって気持ちよくさせてくれたり、裏切る展開にしたり楽しませてくれます。

2013年のアメリカ。狂信的なキリスト教信者の大統領(法律改正し任期無限!)による独裁政権下にあった。
地震があり水没し、孤島と化したLAをNY1997よろしく、大統領が気に入らない奴をぶちこむ刑務所としていた。(島流しか電気椅子死刑か選べます。優しいねぇ。)

アメリカは地球の周りに人工衛星を配備し、「世界中の好きな場所の電子機器を完全に機能停止にできる」激ヤバ兵器を開発して他国に圧力をかけていた。

ある日大統領の令嬢が大統領から激ヤバ兵器の操作端末を奪い取り、LAの反政府軍に寝返った。
「それを奪い返し、娘を殺してこい」と指令を受けたのはご存知スネーク・プリスケン。8時間後に死に至るウイルスを打ち込まれ、またもやLAに潜入させられる。

なんちゃってゲバラ率いる反政府軍は、激ヤバ端末を使い政府転覆を企む。しかしこいつらもギャングもどきなので平和な世界にする気なんて毛頭ない。

「不用意に動けば起動させるぞ」と脅されてアメリカはなす術がない。その間にキューバ軍がガンガン進軍してくる。
一方その頃思ったより背が低いわね。とイジられまくるスネーク。

ゲバラに捕らえられたり、逃げたり殺されたと思われたりしたスネークは、また旧友と出会って「脱出させてやる」と約束し(フラグ)、前祝パレードをするゲバラをグライダーを使って奇襲。端末を回収する。

そこに現れたスネーク回収用のアメリカ軍のヘリにみんな乗り込むも、ゲバラのバズーカの一撃でヘリの後方部だけ(?!)
炎上。

なんとか令嬢と端末を回収し帰還するスネーク。待ち受ける大統領。
令嬢はその場で電気椅子刑を言い渡される。実の娘なのに!酷いぜ!

スネークは端末を差し出すも、前回と同じ手はクワねぇと、偽物だと断定され、令嬢が隠し持っていた端末を見破られる。

そしてお約束のようにその場で全世界に向けての演説が始まる。案の定流れるご機嫌な音楽。(端末内のディスクにマニキュアでペイントしていたので、本物と区別がつかなかった)

ブラフを読んで逆に本物の端末を所持していたスネーク。それを渡そうとしないので射殺を試みる。しかし銃弾に倒れないスネーク。

そう。最初に渡されていた秘密兵器ホログラムの投影であった。
あまりの暴政っぷりに呆れたスネークは端末を「全世界中」をターゲットに起動。

世界中から電気が消える、、、
令嬢を縛り付けていた電気椅子も停止。
文明が崩壊する。スネークは支給されたマッチで1人タバコを吸うのであった。

〜痛烈皮肉コレクション〜
・クソッタレ大統領が狂信的キリスト教徒で、酒・タバコ・赤身の肉禁止・婚外セックス禁止、無神論者・異教徒を追い払い、ピンチになると祈って神頼み。
・ユニバーサルスタジオの事務所が海底に沈んでいる。ジョーズも飛び出します。
・解放軍のの指導者が完全にチェ・ゲバラ。乗っている車がローライダー(メキシコ移民の改造車)
・美容整形を繰り返し人形のような顔になっている集団。外科医(ブルースキャンベル)が登場。整形を繰り返し顔面が崩壊してしまうハリウッドスターあるあるへの皮肉。
・イスラム教徒の女「アメリカより、治安が悪いけど自由があるLAの方がまだ良い」
・子どもが銃を乱射。
・バスケさせられる。
・サーフィンしているカウンターカルチャー時代の名優ピーターフォンダ
・性転換した旧友
・ラストに吸うタバコの銘柄が「アメリカンスピリッツ」(鳥肌)

いやぁ。最高です。
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