かれん

スター・トレックのかれんのネタバレレビュー・内容・結末

スター・トレック(1979年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

地球に迫りつつある謎の物体。阻止するために向かったエンタープライズが出会ったヴィジャーとは一体何なのか!?映画シリーズのはじまりはじまり〜。

感動した!!!
この作品の感動ポイントは、ずばりヴィジャーの正体です。
ネタバレしないとレビュー書けません。
ヴィジャーから送られてきた探査機が、終始「創造者に会いたい」と訴えていました。親の姿を知らない子どものように。
そして、映画終盤に現れたヴィジャーの姿にはっと息を飲む。
1977年に打ち上げられた宇宙探査機ボイジャー2号そのものです。
(実際には2機しか打ち上げられませんでしたが、映画ではボイジャー計画はその後も続き、もっと後に打ち上げられた6号という設定で表現されています。)
当時映画を観た人々は、この探査機を知っていたはずだし、この広い宇宙に人類以外の誰かがいるかもしれない、と夢を託して見送ったのだと思います。
そのボイジャーが宇宙での果てしない旅の中で、命を授かり、自身の存在の意味を問いながら悩み、旅を続けていたのです。
そのあまりにもいじらしい姿に、映画冒頭で犯した横暴なんてすっかり忘れて、胸打たれちゃいます。
きっとNASAの人たちも未来の我が子を見るような気持ちだったんじゃないかとか、一体本物ちゃんは今どうしているの!?とか、いろんなことが頭に浮かびます。
実際にボイジャー2号との通信は2030年までは保たれるとされているようですが、その後どうなるんでしょうね。6号のようにはならない、、、、とも限りませんよね。
2号が打ち上げられた2年後に公開された今作は
「THE HUMAN ADVENTURE IS JUST BEGINNING. /人類の冒険は始まったばかりである」というメッセージで幕を閉じます。
当時の人々にとって、ジャストタイミングなロマンですよねー(涙)。

ということで、スタートレック映画シリーズ第一作は哲学的な性格の強いもので、かつ当時の人々の宇宙への思いを刺激する映画でした。キューブリック的思考の強い作品とも言われていますが、同じく似たような作品で「A.I」が頭に浮かびました。
冷たい海の中で「僕を愛して」と望み続けた少年型ロボット・デヴィッド。2000年の時を経て、機械生命体に一日だけ望みを叶えてもらえた、、、という私的にはハッピーエンド物語。
デヴィッドが体験した残酷な世界も、ボイジャーが旅した宇宙での孤独な時間も、私たちには到底堪えがたい痛み。それでも愛や意義を獲得する強さに、私は涙が出てしまうんだー。。
かれん

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