だいき

宝島のだいきのレビュー・感想・評価

宝島(1950年製作の映画)
2.9
海賊映画の元祖。

これまでアニメばかりを制作してきたディズニー初の実写映画作品。
海賊と言えば、片足が義足で肩にオウムを乗せているイメージを思い浮かべる人も多いのではないか。
実は本作に登場する海賊ジョン・シルバーが元になっている。
 ちなみに、片手がフックみたいな義手になっている海賊は『ピーターパン』に出てくるフック船長のため別物。
ディズニーの創設者ウォルト・ディズニー自ら製作総指揮を務め、18世紀中頃を舞台に海賊船長から宝島の地図を渡された少年の冒険を描く。

そもそも、宝島へ宝を探しに行くドキドキワクワクの冒険ファンタジーだと思っていたら、宝探しの時間は少なく、海賊たちの裏切り合戦に巻き込まれる少年の話だった。
時代的に仕方ないのかもしれないが、アクションも派手さがないし、「宝島」で想像するようなロマンもない。
内輪でずっと揉めているだけ。
とはいえ、ジョン・シルバー船長役のロバート・ニュートンの海賊感は今見ても本当に素晴らしい。
あの浅黒く日焼けした肌と、それとは対照的に不気味に光る真っ白な歯、そしてきっと汗の匂いが染み込んでいるだろう洋服。
後の『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの海賊映画全てに共通する要素が盛り込まれていた。

主人公のジムを演じたボビー・ドリスコールは、初期のディズニー映画の顔だったらしく、子役として常連だったようだが、ドラッグ(ヘロイン)が原因で31歳という若さで亡くなった。
成長してからは普通の公立高校に通い始めたが、そこでは ”ディズニーの子役だった” ことで馬鹿にされ、それがきっかけでヘロインに手を出すという何とも悲しい結末。
内容としては非常に分かりやすい冒険活劇。
ディズニー初めての実写化ということで意気込みは感じられたが、本作はアニメ向けの素材だと思う(実際に2003年に『トレジャー・プラネット』でアニメ化されている)。
ディズニー初実写化&数ある海賊映画の元祖といっても過言ではない作品。
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