エド・ハリスが15年練って作った初監督作品。10年ほどポロックの描き方を真似ていたので、描いている様子も含めてジャクソン・ポロックの半生を観ることができる。
私は作品を2、3作品ほどの有名なやつしか知らないので、ポロックがドリッピング技法を使って描く前の作品を知れたりしたのはとても面白かった。また、アルコール依存症、末っ子という立場、そして、彼を支えた妻リー・クラズナーの様子も、とても興味深かった。
禁酒していた時期にヒットして、期待に応えようとして潰れていく。そしてアルコールに溺れて事故で亡くなる。社会に適合できなかった故に描いた絵が売れて、社会に合わせた結果上手くいかなくなる。なんだか物悲しい。
マーシャ・ゲイ・ハーデンの演技が光る。私はあまり彼女について詳しくないので、リー・クラズナーそのものだと思いながら観ていた。エド・ハリスも、悪役のイメージが付き纏う中、繊細かつ大胆な役を見せつけてくれたし、終盤では顎髭と体格でとてもワイルドになってて驚いた。