リングで起きたJホラーブームを絶やさぬ様にと、鈴木光司原作に中田秀夫監督とい布陣で作られた今作。二匹目のドジョウを狙ったが、どうにも小粒だった印象は拭えなかったな。
娘の親権を争う母(黒木)が引っ越してきた団地の1室。雨漏りが酷い陰鬱な部屋にすむ2人に、行方不明となっていた少女が襲い掛かる。
話としては至ってシンプルだ。
この映画の本質の1つに、対人関係のストレスがある。団地を仲介した不動産屋も管理人も仕事が雑で悪質だ。
娘を預けた保育園もかなりブラックな匂いを漂わせる。
離婚調停や親権を争う旦那と弁護士とも険悪。
そして黒木瞳演じる母は気が弱くて基本抗えない。(黒木瞳本人の気の強さが顔に出ているが笑)
怪異の正体が行方不明の少女だというのは判りきってるし、あからさまに怪しい貯水槽にも中々気付かない。
このまどろっこしさが話の中弛みに繋がる。ホラー映画は主人公が馬鹿だと話が馬鹿になるんだよぬ。
やっと気づいた貯水槽が、中からドンドンと衝撃で、歪むシーン。個人的には無粋だと思ったなぁ。
エレベーターから大量の水が溢れてくるクライマックスはキューブリックのシャイニングそのものだし。
短編を無理やり長編にしたのが、そのまま間伸びした映画になった感じがしたのよね。