このレビューはネタバレを含みます
先日観た『幕末太陽傳』でフランキー堺が気に入って『駅前旅館』鑑賞。
昭和30年代、東京は上野駅前のとある旅館を舞台にしたドタバタコメディ!
と見せつつ同時に、昔ながらの旅館稼業からビジネスホテルへと変わりゆく時代の中で、行き場を失いつつある「番頭」という仕事への、愛と尊敬が込められた、ほろ苦い映画だった。
終盤で披露される見事な呼び込みは、観ていて気持ちが良く、それでも、時代に必要とされないこの仕事への情熱のやり場のなさが切ない。
その後の馬車のラストシーンが微笑ましかった。あの馬車のように不器用でも時代から遅れていても、一本道な人生を送りたい。