シン・ゴジラから入った「逆引き」組。
全く無駄のないハイペースなポリティカル・ドラマであり、とても長く感じる映画でもある。
シン・ゴジラで言うと、ゴジラ上陸までの冒頭会議シーンから笑いの要素を抜いて、それを2時間半続けるような感じ……というと退屈に聞こえてしまうかもしれない。
でもこの映画に対して感じる「長い」は、退屈で早く終わって欲しいときの「長いよ〜」ではなく、緊迫した状況がようやく収束に向かったときの「長かった…」の方でしょう。
あまり頭を使わずに見ることができる場面がないから余計に長く感じるのかもしれない。
もっとオーソドックスなつくりの映画ならば、たとえば、児玉基地から出撃した飛行団が敵の機動部隊に特攻をかける様子などを直接的に描写したものを入れてきそうなところだが、この映画はそういったものに時間を割かない。
削れるものは大胆に削りきった濃密な157分。練りに練られた画作り。必見です。でも疲れてる時に観るのはやめましょう。