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盗まれた欲情のNNNのレビュー・感想・評価

盗まれた欲情(1958年製作の映画)
3.6
芝居小屋が潰れる日の、天井の布が外され、上下の空間があらわれる面白さ。テント劇場って言うらしいね。ああいうの。

一座が車に乗ってやってくるシーンにたぎるモーションとエモーション。音楽が流れ、大勢の人が集まり、手を振り、駆け出し、歓喜する。村中総出で待ち構えている設定なのかもしれんけど、いくらなんでもこの村にこんなにいないでしょうってくらい、とんでもない数。

長門裕之がヤケクソになって川に石を投げ散らすシーンあたりまでは画面と物語の関係性を掴めている感触はあったのだけど、徐々に何が何だかわからなくなってしまった。ある空間に複数の人間を配置し、動かしまくることで画面に彩りを与えるその構成力・エネルギーには圧倒されるけど、中盤以降、被写体が何に向かって何をしようとしているのか、いまひとつハッキリせず。そもそもハナから音声が聞き取りにくく、何喋ってるんだか全然把握できていないというのもあったが。
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