カシツルワバラアユアイカム

踊子のカシツルワバラアユアイカムのレビュー・感想・評価

踊子(1957年製作の映画)
3.7
京マチ子、はじめてみたけど、とても豊満でした。けど、そんな好きになれなかったかも。雨月物語も京マチ子だったっけ?そうか〜

けど、役自体はめちゃくちゃハマってたな。

姉妹の確執って、どんなもんなんだろうか。妹に、男も、社会的地位も、女性としての根源的な機能さえも奪われてしまう姉。
「人がやってることはなんでもしてみたいの」
なんていいながら、本当に幼くて、子供で無邪気なようでいるけど、小狡い奴。
いや、小狡いわけではないし小悪魔なわけでもないな。
ただ、女として、天然だったのかもしれない。
「先生は男を知らないあたしの体には艶がない、なんていうけれど、わたしはそのために堕落したくないの。」
とテル子は言っていたけれど、チエちゃんはそのために堕落していたわけではないし、男を知っていようがいまいが、踊れないものには踊れない。
普通の人がどれだけ頭で考えてなにかやろうとしても、やはり本物の、天然、には劣ってしまうのだろう。
それは、姉と妹、並んで踊るシーンにも見てとれた。

しかし、その妹をすべて受け入れる姉。
もしかしたら、この姉妹には確執などなかったのかもしれない。
むしろ、姉と妹、として、それぞれの同一性はいまだに確保されておらず、相互補完的に二人で一人の存在として、人生を生きているようでさえあった。

いや、まぁそんなことないか笑

最後のシーンには、とても泣かされた。
あれは散々奔放してきた、報いなのであろうか。辛すぎた、ほんと。