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愛という名の疑惑のkのレビュー・感想・評価

愛という名の疑惑(1992年製作の映画)
1.8
(昔ノートにメモした感想文から転載)
男根主義社のならず者、頭は切れて容姿端麗だが底の浅い男に舌がペラペラ動くだけの男。
この映画に登場する男たちはどれもくだらない。
実の父親に人生を傷つけられ、奪われた女を救えるものは何もない、というかすくなくとも、「男」が救うことはできない。
多かれ少なかれ、男という生き物は、潜在的にその父親の罪に加担しているから。
そこに何か違いを見つけようとして見つかるのは、そのことに自覚的かどうかという、ただその程度にすぎない。
「女を武器にする」とはどういうことか。
女の「性」が武器だとするのなら、男のそれは「狂気」と言っていいかもしれない。
ハイライトの舞台となる塔を男根のメタファーとするなら、はじめにそれによって追い詰められるのが男の方で、さいごにそれによって命を落とすのが女の方だという筋書きは、かなり不愉快。
それは逆であるべきだ。
そんなワケで、この映画を作った男たちは男根主義者で脳みそマッチョのクソ野郎だ、ということにしておこうと思う。
しかしこうして悪態をついてしまうのは、冒頭のカットの積み重ねで高まった期待感が、その後ただひたすら打ち砕かれていったことによる逆恨みかもしれない。
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