物語の始まりから、色合いがどんよりと暗く、静かに静かに進行していく人と心の葛藤のお話でした。わりと表面的な部分で表現されているので、そこがかえって生きていくことの冷たさや暖かさをリアルに映し出しているような気がしました。
ロアが一番自由で、心から安心しているシーンが陽の光を浴びている瞬間で、全体的に暗めな映像とまるで対比であるかのように美しく、光が時折感じられるシーンがとても貴重で印象深かったです。
コーラがロアを想う気持ちも街の医者がロアを見守る気持ちもどちらも大切な事で、何よりロアの事を想ってくれている人がいるということが、個人的に嬉しいと感じました。
最後の手を添えるシーンは、ロアなりの精一杯の気持ちなのだろうと思いました。そして、なんだか励まされました。
この物語を見て、世界には様々な国や生き方、環境があるのだと気付かされました。
なんとなく借りてみて良かったです。