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リトル・チルドレンのMovieloverのレビュー・感想・評価

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)
4.2
タイトルから子供が題材なのかと思いきや「リトル・チルドレン」が意味するものは《子供のような大人たち》⇒《大人の幼児性》だった。さすが「TAR/ター」のトッド・フィールド監督…ぐいぐいお話に引き込まれていくし、登場人物の描写が素晴らしいし、とにかく役者の使い方が上手い!「TAR/ター」のケイト・ブランシェットもそうだったなあ。

郊外の住宅地に暮らすサラ(ケイト・ウィンスレット)とブラッド(パトリック・ウィルソン)。それぞれ家庭を持ちながら、満たされない日常を抱えている二人はお互い子供を遊ばせるために出かけた公園で知り合いやがてW不倫…と、ここまではよくあるお話なのだが、同時進行でロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)という男を絡めてきたところが面白い。このロニー、未成年への性犯罪で服役していたが出所して家に戻り住民達は不安を感じている。前科のある彼は完全にコミュニティの中で孤立しているし、市民プールのシーンはさながらJAWSが現れたみたいに皆がパニックになる。そんなロニーに対して元警官のラリーは正義感を振りかざして執拗に嫌がらせを繰り返す。
今の世の中、幼児性を持った大人は様々な形で存在するよなあ、と思う。

個人的に嬉しかったのは「がんばれ!ベアーズ」シリーズで人気を集めたジャッキー・アール・ヘイリーがこの難役に挑んで奇跡の復活を果たし、この作品で第79回アカデミー賞(2007年)の助演男優賞にノミネートされたこと。パチパチ👏👏
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