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刑事物語4 くろしおの詩のすとんこのレビュー・感想・評価

刑事物語4 くろしおの詩(1985年製作の映画)
4.0
DVD所有

真面目一筋で生きてきた片山刑事(=武田鉄矢)が、護送中の犯人を取り逃がすという失態を晒したためクビになって″ヤクザ屋さん″になるって話☆

短足不細工お人好し、でも腕っ節は滅法強い片山さんが活躍するシリーズ第4弾!
今回の舞台は高知県、腹ボテの妊婦・桃子(=あいはら友子)の面倒見ることになり、あまつさえお腹の子の父親になることを決意します。いい人過ぎます。

″高知グランドハワイ″というキャバレーのボーイとして働き始めた片山さん、そこで働くホステスに気に入られたためにその旦那に因縁を吹っ掛けられることに。
「焼き芋が昼寝したみたいな顔」
と上手いこと言われてキャバレー店内でバトル開始!
得意の中国拳法&ハンガーヌンチャクでガッツ石松率いるチンピラ共を蹴散らします。カッコいい♪

そんな腕っ節を買われ、キャバレーを経営している″山梨組″の構成員として認められる片山さん。
自分に嫌気がさし、故郷に帰る決意をするも慌てて止める警察署長(=植木等)。
実は片山さんは、本当に警察をクビになった訳では無く、麻薬密売に関する捜査のために、署長の根回しで山梨組に潜入させられたのでした。ヨカッタね。

「表は義侠心、裏を返せば暴力団」
昔気質のヤクザ、山梨剛造組長に気に入られた片山さんは、道に外れた犯罪に手を染める山梨組の下部組織・戸崎興行の戸崎(=石橋蓮司)に目をつけます。
案の定、戸崎が本件の黒幕であることを掴み、大捕物の末に無事逮捕の大手柄、でも結末はやっぱり左遷。報われません。

桃子を連れ高知を立とうとする片山の前に、桃子のお腹の子の本当の父親・武クン(=田山涼成)が現れ、よりを戻すことになった桃子に、「別に好きな人が出来たから良かったよ」と嘘をつき、桃子の罪悪感を軽くしてあげる優しい片山さん。部屋に転がるベビー用品の数々が哀愁を誘います。

「男として初めて嘘をつきました。間違ってますか?」

男の意地の、優しい、悲しい嘘をついたことを坂本龍馬像の前で一人告白する片山刑事。そこに絶妙なタイミングで吉田拓郎「唇をかみしめて」のインサート!泣けてくる。

不器用だけど底抜けに優しくて、でも、いざとなったら刃を抜ける強さを秘めた理想の男像が描かれる一本(* ̄ー ̄)☆



○キャスト○
片山元:武田鉄矢
桃子:あいはら友子
戸崎義明:石橋蓮司
呼び込みの健:三浦浩一
武:田山涼成
植田警察署長:植木等
山梨剛造組長:大友柳太朗
ホステスのかおる:神保美喜
若林:ガッツ石松
戸崎の部下:大仁田厚
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