アベ二ティKazumaAbe

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKYのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

4.1
そこまでガンダム好きでもない自分がちょっと度肝を抜かれた一本。

ヒリヒリと心臓を撫でるようなドライな暴力と、陽気さすら不気味に響くJAZZが絡んだ戦闘シーンが印象強い、ガンダム作品の中でも異様な熱量を湛えた作品。戦いの中に身を置きながらも、その快楽性は肯定しないジオン公国のダリルと、彼を挑発し行動を否定する地球連邦軍のイオの関係はそのまま『ダークナイト』におけるバットマンとジョーカーのよう。二人の男の危うさを眺めているだけでも痺れるような感覚が背中に走る。

アニメーターはこの作品のためどれだけ寝てないんだ、と不要な心配を重ねてしまうアクション作画の素晴らしさも、「戦争嫌だ!」と「戦闘楽しィ!」のバランスを整えるのに一役買っている。ここまで悲壮感覚える戦場の回想シーンを並べながら、宇宙空間での華あるドンパチに超興奮させる手腕、ひょっとして製作陣みんなド変態なんじゃないだろうか。続編もある感じなので、今度は劇場でどっぷり浸ってみたい。