山浦国見

激闘の大砂漠の山浦国見のレビュー・感想・評価

激闘の大砂漠(1952年製作の映画)
3.9
アラビア最速の野生馬シャザーダを追う、ベドウィン族長。

彼に命を救われたチュニスの王女タニヤは、自分の結婚相手を決める馬のレースに出場してほしいと懇願する。だが、実は王女もシャザーダを追っていた。途中合流したタニヤの隊とベドウィン族。奇妙な共同隊が出来上がり、遂にシャザーダを捕獲し、調教を始める。一方タニヤは、次第にベドウィン族長の野生的魅力に惹かれて行く。

とんでもない暴れ馬を調教するシーンは、「大いなる西部」にもあったが、こっちの方が幾分上だ。何しろ、同時進行でチュニス女王と言うじゃじゃ馬を手懐けるのだから。

ロケ撮影による、クライマックスのレースシーンは弩級の迫力。

この映画、意外にもスタジオ撮影が少ない。ちゃんとロケ撮影しているのだ。しかし潤沢な予算があったようにも見えない。もしかしたら、キャスト、衣装、美術、音楽にかかる経費を節約し、その分をロケ撮影に回したのではないか。或いはスタッフやキャストが、ギャラは安くても構わないから、いい作品を作ろうと言う監督の想いに報いろうとしたのかも知れない。それくらい、きっちり作られている。

監督は、バスター・キートンやアボット・コステロの映画シリーズでお馴染みのチャールズ・ラモント。77分の短尺の中で、これだけ密度の高い佳作に仕上げた監督の腕前に、乾杯!🍻
山浦国見

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